『けっぱれ相撲道 安美錦自伝』 安治川竜児 25-346-3742
竜児少年の出身地である青森は、相撲が盛んな土地でした。お父さんの清克さんは大柄な方で、子どもの頃は相撲取りになりたいと思っていたのだそうです。でも、漁師の家を継ぐはずだったお兄さんが亡くなり、次男だったお父さんは漁師になりましたが、相撲の指導者として多くの子どもたちを育ててきました。お父さんの従弟が横綱「旭富士」(安美錦が入門当時安治川親方→伊勢ヶ濱親方→宮城野親方)です。竜児(後の安美錦)はこの部屋へ入門しました。
相撲取りとしては小柄な彼ですが、相撲センスが良かったことと、良き指導者に巡り合えたことで「頭を使った相撲」を取ることを心がけていたそうです。親方にとって初めての幕内力士となった安美錦ですが、その後優秀な力士が大勢入門し、この部屋からは日馬富士、照ノ富士という二人の横綱を輩出しています。現在の伊勢ヶ濱部屋は照ノ富士が引継ぎ、関取の人数が最も多い部屋となっています。
安美錦は「くせもの」と呼ばれるくらい、取組相手にとっては何をするかわからない力士でした。「技のデパート」と呼ばれた舞の海よりも決まり手が多かったのが自慢だそうです。取り組みをしたことがある横綱全員(貴乃花1個、武蔵丸1個、朝青龍4個、白鵬1個、鶴竜1個)から金星を取ったというのは凄い記録です。これは誰にも抜かれそうにない記録です。
土俵を割るまでは、最後までねばる取組スタイルでしたから、大きなけがを何回もしました。痛み止めの注射を打って土俵に上がったこともあるし、膝の靭帯は手術して長期欠場をしたくないのでテーピングや補助器具などで、だましだまし相撲を取っていたそうです。それでも22年半現役を続けられたというのは、努力のたまものであるだけでなく、様々な方の力があってこそなのです。
安治川親方として部屋を立ち上げて、わずか3年で弟子の安青錦が大関となり、親方もビックリなのではないでしょうか。ご自身がそうであったように、小柄であっても頭を使えば大きな力士を倒すことができるということを、弟子たちに教えていかれるのでしょう。
けっぱれ(がんばれ)安治川親方!
3742冊目(今年346冊目)
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