『小さい“つ”が消えた日』 ステファノ・フォン・ロー 25-356-3752
小さい“つ”が消えた日
Die Geschichte vom kleinen Tsu
ステファノ・フォン・ロー
Stefano von Loё
トルステン・クロケンブリンク 絵
Torsten Klockenbring
小林多恵(こばやし たえ)日本語監修
岩田明子(いわた あきこ)日本語監修
三修社
五十音村には、いろんな人がいます。”あ”という文字は自慢好きなおじさん、”は”と”ほ”と”ひ”と”へ”と”ふ”という文字は、性格は違うけど笑うことがみんな大好き。この物語の主人公は、小さい”つ”です。彼は、お父さん(大きい”つ”)と暮らしています。
ある日、村の人たちが、どの文字が一番えらいのかと言い合いを始めました。そして、誰が偉いのかの結論は出なかったのだけど、一番えらくないのは、小さい”つ”だという話になってしまったのです。
それを聞いた小さい”つ”は、とても悲しくなり、一通の置手紙を書いて、家出してしまったのです。
「僕はあまり大切ではないので、消えることにしました。さようなら」
小さい”つ”がいなくなると、人々が話す言葉がおかしくなってしまいました。
例えば、弁護士が「訴えますか? それとも訴えませんか?」と言うつもりなのに、実際に口から出た言葉は「歌えますか? それとも歌えませんか?」になってしまったんです。これでは、言いたいことが相手に伝わりません。
こんな面白い物語を考えたのがドイツの人だというのに、とてもビックリしました。どうしてこんなことを思いついたのかというと、彼が日本をご勉強している時に、小さい”つ”を正しく理解できていなくて、変な言葉をたくさんしゃべっていたのだそうです。
昔、英語ネイティブの先生と「風鈴」の話をしていたとき、彼にとって「ふうりん」と発声するのが難しかったようで「ふりん」と言っていたのです。先生、それじゃ意味全然違っちゃうよと笑ったことを思い出しました。
どんなものでも、たったそれだけじゃないかって軽く見ちゃいけないんですね。
そんなことを気づかせてくれた物語でした。
3752冊目(今年356冊目)
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