『うおつか流食べつくす!』 魚柄仁之助 25-338-3734
仁ちゃんの同居人さんは、金曜日の夜から月曜日の朝まで、長野の実家へ行ってお母さんの生活の手伝いをしています。そして、東京へ帰って来る時には畑で採れた野菜を、まるで「担ぎ屋さん」のようにたくさん背負って帰ってくるのですが、その量がとてつもないのです。夏だとキュウリ100本が毎週運び込まれてきます。仁ちゃんはそれを絶対に無駄にすまいと、様々な料理、様々な保存法を駆使して、ちゃんと消費するのです。キュウリだけじゃありません、ナス、大豆、大根、などなどが次々とやってくるので、次々とおいしく食べられるようにしていくのです。
わたしたちはキュウリを食べるのにサラダとお漬物くらいしか思いつきませんけど、仁ちゃんはただものではありませんから、いろんな知識(大学では農業を学びました)と想像力で、おいしいものに変えていきます。彼は古い日本の調理法の本を読むのが好きなので、それを参考にして酒粕に漬けたり、干したり、外国の調理法も参考にして炒め物にしたり、きっちり食べつくします。
仁ちゃんが貧乏学生だったころ、マヨネーズが高くて買えないので、自作してみようと思ったけど、卵が高くて買えなくて、代わりに大豆を使って「マヨネーズのようなもの」を作ったという話も面白かったです。これは後に、卵アレルギーを持つ人に喜ばれたそうです。おいしいだけじゃなく、人助けにもなってます。
昔、秋葉原で段ボールを集めていたおじさん達の話はなかなか深いものがありました。ガード下で七輪で鍋をしているおじさんたちに「何を食べてるの?」と仁ちゃんが聞いたら、「一緒に食べていきなよ」と言われたんだそうです。毎日段ボールを集めているうちに、お店の人たちと仲良くなっていて、御徒町の某魚屋さんから売れ残りの貝や魚をもらってきて、野菜は当時秋葉原にあったやっちゃば(青果市場)で調達するから、材料費はタダ。お金を払って買ったのはお酒だけという、リーズナブルかつ栄養バランス満点の食事をしていたおじさん達はエライ!とう話なんです。
わたし、最初の就職先が岩本町だったので、秋葉原は近くて、神田駅と秋葉原駅の途中のガード下で鍋やってるおじさんを見かけたこともあるし、やっちゃばの中を自転車で走ってたこともあるし、御徒町の魚屋さんって「あそこね!」ってわかるし、この思い出話には、わたしの思い出も重なりました。
最後の方で、レシピ付きで説明されていた「低温調理」もとってもステキ、煮物は最初の5分だけ火の上で煮て、その後はバスタオルでくるんで放っておけば料理ができちゃうって夢のようです。朝仕込んでおけば、夜うちに帰ったときには煮物ができているってサイコーじゃないですか。蓋つきの鍋とバスタオルがあれば、特別な道具もなしにできちゃうんだから、これはやるしかないでしょう!
調理法は KOKOKARA を見てください。
調理できる自分を作ることは良い食生活を手に入れるためだけではなく、色々なことができる自分を手に入れるためのきっかけにもなるのです。人生は1回。できないことだらけの自分とできることがたくさんある自分、どちらを選ぶか?決めるのも自分・・・でしょ。
久し振りに読んだ仁ちゃんの本、やっぱり面白いし役に立つ!お金がないないと言いながらコンビニ弁当ばっかり食べてたら、お金はたまりません。仁ちゃんが言うように「炊事力」は大事ですよ。
3734冊目(今年338冊目)
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