『オルガンのあった場所』 シン・ギョンスク 26-31-3790
どうして、みんな、こんなにも大きな悲しみを胸に秘めているんだろう。
「オルガンのあった場所」の主人公の女は、駆け落ちする前に故郷の村に帰ってきて、子どもの頃、継母がやって来た時のことを思い出します。彼女に懐いちゃいけないと長男は言ったけれど、その言葉に従わなかった、自分を含む下の子たち。本当の母より料理が上手かった継母のことを、大人になったいまだからこそ理解できるような気がします。そして、今の自分も彼女と同じような道を歩もうとしているのだと気づいてしまって。
貧しくても頑張ってきた家族、年老いたり、病気になって重荷になってしまった家族。よその家をうらやんでみたり、よその家を蔑んでみたり、いろんな思いが頭の中を飛び交って、手紙に書くことはできても、誰かに話すことはできない。この気持ちを誰かにわかってもらえるとも思えないし、そもそも、そんな話を聞いてくれる友人もいない。下手に家族に話したらケンカになるのがわかってるし。
それぞれの物語の中で、それぞれが持つ悲しさが切ない。気がついたらこんな境遇だったのに、自分が何か悪いことをした訳でもないのに、どうして、こういう人生になっちゃったんだろう?
この7編が収められています。
・庭に関する短い話
・草原の空き家
・鳥よ、鳥よ
・オルガンのあった場所
・彼がいま草むらの中で
・ジャガイモを食べる人たち
・暗くなったあとに
3790冊目(今年31冊目)
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