『世界はフムフムで満ちている』 金井真紀 26-13-3772
十代の頃、スタッズ・ターケルの『仕事!』という本が好きだった。百を超す様々な仕事人のインタビューで構成されているその本を繰り返し読んで、世界はわたしが思っている以上に広いみたいだ、いろんな人がいるのだとワクワクした。(あとがき より)
好きなものから食べるか、最後に残しておくか、そういうことをするのは人間だけだと思っていたら、「動物園のゾウにもそういうことするやつがいるよ」って、獣医さんに教わった。
警察が犯人を捕まえるために作る「似顔絵は似すぎていてはいけない」と教わった。70%くらい似ているのがいいんですって。その方が思い込みに縛られなくなるから。
「目標は優勝じゃない。サッカーを好きになること、なんだ」って少年サッカーの監督に教わった。みんなプロになれるわけじゃないし、練習が厳しすぎて嫌いになっても困る。ずっと草サッカーをしたり、サッカーチームを応援したり、ずっとサッカーを好きでいてくれることが一番大事だよね。
世の中にはいろんな仕事をしている人がいる。本人にとっては当り前だけど、他人から見たらすごい技をやっている人がいる。あとがきに登場した、バス乗り場でいろんな行き先のバスに乗ろうとしている人を振り分けているお兄さんみたいに、ビックリして見とれてしまうような仕事をしている人もいる。
きちんと仕事をしている人だからこそ、その人なりのやり方、カッコよく言えば「極意」が生まれるんだろうなぁ。そういうのが生まれない人って、たぶんその仕事が好きじゃないんだろうな、なんて思っちゃう。
わたしがいつも感心しているのは、駅前の魚屋の「まぐろぶつ」コーナーのおじさん。袋にマグロをスコップで入れるんだけど、200gだろうが、500gだろうが、たいてい1~2すくいでピッタリなのよ。 そういう名人芸を見ると、妙にうれしくなっちゃうのよねぇ。
この本を書いた真紀さんは、スタッズ・ターケルが大好きだったのね。だから、こういう展開になったのかって、納得しちゃいました。彼女はいつもキョロキョロしてるんだろうなぁ。そしてフムフム!って言ってるような気がする。そんな感じが、この本のあちらこちらにありました。
3772冊目(今年13冊目)
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