『レンブラントの帽子』 バーナード・マラマッド 26-55-3814
レンブラントの帽子
Rembrandt’s Hat
バーナード・マラマッド
Bernard Malamud
小島信夫(こじま のぶお)訳
浜本武雄(はまもと たけお)訳
井上謙治(いのうえ けんじ)訳
和田誠(わだ まこと)装幀
夏葉社
米国 1973, 1968
島田潤一郎さんは、夏葉社というひとり出版社を起こし、その第一作として、この本を出版することに決めました。その時に、装丁は和田誠さんにお願いしたいと思い、それまで全く面識がなかった和田さんに直談判したのだそうです。何の実績もない出版社」だけれど、島田さんの熱意に共感した和田さんは、快く装丁を引き受けてくれたのだそうです
・レンブラントの帽子(Remnrandt's Hat)
きみの帽子がレンブラントの帽子に似ているね。と声を掛けた後、自分はどうも相手から避けられているらしいと感じる男。ちょっとした言葉の行き違い、思い違い、たったそれだけの事なのに、友達との距離が広がっていくという不安感は、50年以上前に書かれたものだけど、現代にも通じるものを感じます。
・引き出しの中の人間(Man in the Drawer)
主人公のアメリカ人男性は、フランス語、ドイツ語、イディッシュ語なら少々わかるけど、ロシア語は、挨拶くらいしかできないと言っています。それでもソ連に旅しているのは、自分が全く知らない世界を見てみたかったからなんでしょうか?
この作品が発表された1968年は冷戦真っただ中です。ソ連に旅した主人公は、そこに住むユダヤ人男性から頼まれたことを、どうやって断ろうか必死に悩みます。自分がスパイだと思われて拘束されたらどうしようとか、ホテルの部屋に盗聴器がついてるんじゃないかと、怯えてしまいます。
・我が子に、殺される(My Son the Murder)
22歳になる息子が、大学を卒業しても働かずに、ずっと家にいます。父親は、彼とのコミュニケーションが上手く取れなくて、気をもんでいます。息子に期待したい父、父の期待に応えられないことに苛立つ息子。でも、きっとわかり合えると信じたいです。
あの人に、こんなことを言ったら嫌われるんじゃないか? と思いつつも、第三者とはその人の悪口を言っていたりするのが人間です。そして勝手に、あの人はこんな人だからと決めつけてしまったり、どうしてわかってもらえないんだと怒ったり。でも、当事者同士はちゃんと話をしていないってこと、よくありますよね。昔も今も、そういう所は変わらないんだなぁ。
3814冊目(今年55冊目)
« 『地面師 vs. 地面師』 森功 02/24-54-3813 | トップページ | 『日日是植物』 いとうせいこう 26-56-3815 »
「英米」カテゴリの記事
- 『スカートと女性の歴史』 キンバリー・クリスマン=キャンベル 26-85-3844(2026.03.26)
- 『哀しいカフェのバラード』 カーソン・マッカラーズ 26-69-3828(2026.03.11)
- 『レンブラントの帽子』 バーナード・マラマッド 26-55-3814(2026.02.25)
- 『決定版 2001年宇宙の旅』 アーサー・C. クラーク 26-57-3816(2026.02.27)
- 『春にして君を離れ』 アガサ・クリスティー 01/27-26-3785(2026.01.27)
« 『地面師 vs. 地面師』 森功 02/24-54-3813 | トップページ | 『日日是植物』 いとうせいこう 26-56-3815 »




コメント