『日本に住んでる世界のひと』 金井真紀 26-41-3800
街頭演説で「移民反対」を声高に叫んでいる人が増えています。でも、彼らは、外国から日本へやってくる人たちが「なぜやってきたのか?」をキチンと理解してるんだろうかと思うことが多いのです。そういう人にはぜひ、この本を読んでもらいたいと思います。(きっと読まないだろうけど)
1990年6月1日以降、日系三世とその家族は「定住者」という在留資格を持っています。特定技能、技能実習生などの名目で来日し、日本で働いている人もいます。彼らは工場や介護などで、労働力不足を補ってくれています。
「難民申請」という入国理由の人もいます。申請中は働くことができますが、申請が却下されてしまうと働くことができません。 そして、自国へ帰れと言われてしまいますが、そもそも身の危険などがあるから逃げてきたわけで、そんなことできるはずがありません。そんな宙ぶらりんな状態の人が増える中、出入国在留管理局に収容中のウィシュマ・サンダマリが死亡した事件が起きたり、様々な問題が起きているのです。
わたしの友人で、ミャンマー出身の女性がいます。彼女は英語が堪能で日本での就労ビザが取れています。数年前にミャンマー人男性と結婚し、家を買いました。そして、このまま日本に永住するつもりだと言っていました。その理由を聞いてみると、国の情勢が不安定過ぎて安心して生きていけないからだそうです。彼女のように、難民ではないけれど、自国へ帰れない人もいます。
家族の誰かひとりが反政府運動をしていたからという理由で、親や兄弟が殺されてしまう国があります。日本なら危険な目にあったら警察を呼べばいいけれど、警官に言いがかりをつけられて殺されてしまう国もあります。それに比べたら、日本はとても安全な国です。
「日本で働いてくれるのは歓迎だけど、永住されては困る」というのが、日本政府のスタンスなのですが、そんなの無理でしょう。長年日本で働いて、ここで生まれた子もいるのに。
世界中から日本にやって来た人、ひとりひとりに、やって来た理由があります。その理由を知れば知るほど、この人たちを外人としか扱えない日本の「ずるさ」が見えてきて、悲しくなってしまうのです。
3800冊目(今年41冊目)
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