『スキップとローファー 1』高松美咲 26-80-3839
同級生が8人しかいない田舎の中学から、東京の高偏差値高校へ主席入学した美津未。入学式の日、叔母さんの家から高校へ初登校なんだけど、いきなりやってしまいました。迷子になってしまったんです。でも、制服のおかげで、同じ高校の男子に連れて行ってもらい、何とか入学式には間に合いました。でも、彼女にはもう一つの試練が、新入生代表(主席だからね)として壇上で宣誓をしなけらばならないんです。
勉強はできるけど、大勢の中でどうしていいのか分からない美津未です。他の子はみんな東京の子で、自分はここでやっていけるのかと不安しかありません。
入学式の日に助けてくれた志摩くんが「みつみ」って呼んでいいかなって言葉をきっかけに、彼だけでなくクラスメートたちとも仲良くなりました。部活をどうしよう?とか、休みの日に映画をみんなで観に行こうとか、「みつみ」はいろんな経験をしていきます。最初はただの「田舎者」と思っていたクラスメートたちも、彼女の天然なところに惹かれていくんです。
「考察する若者たち」で語られていた「界隈」の意味が分かってきました。様々な学校からやって来た人が集まる高校という場で、どの人も、最初は自分と同じような「界隈」の人となら仲良くなれるだろうと思います。逆に「界隈」が違う子とは、話が合わないだろうなとか、価値観が合わないだろうなと、本能的に選別してしまうわけです。「あの人は不良っぽい」とか「あの人は気が強そうだ」とか「あの人は地味すぎる」とか、勝手にその人の界隈を想像して距離を置いてしまいます。気が弱い人だったら、誰ともしゃべれないですよね。
ところが、そういう「界隈」という概念がない「みつみ」は、どんな人とも交流してみようと思っています。そんな彼女を通して、他の子も「あの人とは界隈が違う」と思っていた人と付き合えるようになっていきます。
マンガだから、セリフとは別に心の声が書かれていて、最初はそこで否定的なことを思ってるんだけど、「話してみたら結構オモロい奴じゃん」なんて、距離感が狭まっていくところが面白いです。
みつみ自身はまだ、そんな自分の力に気がついてないけれど、このままスクスク育てば成瀬になれるんじゃないかという予感すらします。
学校行事も生徒主導で行うという、この高校の在り方もいいなと思います。ちょっと、自分の高校時代のことも思い出しました。文化祭も体育祭も、みんな生徒主導だったところが同じだなぁってね。
3839冊目(今年80冊目)
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