『ムーンドッグ・セレナーデ』 吉田篤弘 26-75-3834
「直し屋」さんが大勢登場します。それぞれが、何故その仕事を選んだのかを語っていますけど、偶然にその仕事に就いてしまった人が多いのが面白いです。やってみるまでは分からなかったけど、やってみたら面白かった。そういうのって、人間が仕事を選んだのではなく、仕事が人を選んだってことなのかしら。
最後の方で、時計、水道管、洋服、車、バイオリン、テレビ、カメラ、靴、家具、の9種類の直し屋を探している人が登場してきました。いったい何を企んでいたのでしょうか?
わたしが小学生だった頃、月に1度くらい「直し屋」のおじさんが町にやってきました。「おなべに、やかんに、こうもりがさ」という声が聞こえてくると、近所の誰かがおじさんを呼び止めて「ちょっと、これ直してくれる?」って頼んでました。うちでも、金だらいとか、やかんの穴を金属の鋲みたいなもので塞いでもらいました。
時計の分解掃除とか、桐箪笥の削り直し、包丁やハサミ研ぎなどは、近所のお店でやってもらってました。今はそういう職人さんが減ってしまって、昔みたいに簡単に頼むことができなくなりました。「直すより買った方が安いよ」って言われると、その通りだけど、何だか悲しいのです。
破壊の反対を何と呼べばいいのか分からないけど、たとえば、それを「修繕」と呼んで、「修繕衝動」とか。
自分、それがかなりすごいのです。やたらに直したくなる。P92
これは服の直し屋さんのセリフですけど、わたしも直したがりなので、その気持ちがよくわかります。靴下の穴とか、ほつれたスカートのすそ上げとか、取れそうなボタンとか、やたらと直したいです!
この13篇が収められています。
・ある肘掛け椅子の話
・掌の中の竜
・深いところから染み出してくる水
・ムーンドッグ・セレナーデ
・パスカルのヨシアシ
・壊れた猿
・バイオリン・ゴーストと虹色の女
・煙突の上の二千の天使
・曇り空の独奏者
・ビッグ・ドラム
・履かれた男
・オオモノのランドリー・バッグ
・中庭の青い目
3834冊目(今年75冊目)
« 『書きたいことがない人のための日記入門』 pha 26-74-3833 | トップページ | 『きのう何食べた? 2』 よしながふみ 26-76-3835 »
「日本の作家 やらわ行」カテゴリの記事
- 『違国日記 6』 ヤマシタトモコ 26-252-4011 (2026.09.07)
- 『違国日記 5』 ヤマシタトモコ 26-245-4004(2026.08.31)
- 『エルトゥールル号の遭難』 寮美千子 26-227-3986(2026.08.14)
- 『違国日記 4』 ヤマシタトモコ 26-224-3983(2026.08.11)
« 『書きたいことがない人のための日記入門』 pha 26-74-3833 | トップページ | 『きのう何食べた? 2』 よしながふみ 26-76-3835 »




コメント