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『一橋桐子(79)の相談日記』 原田ひ香 26-84-3843

Itihasikiriko79

一橋桐子(79)の相談日記

ひとつばしきりこのそうだんにっき

原田ひ香(はらだ ひか)

徳間書店

 老朽化した猿山団地には管理人もいなくて、荒れた感じになっていました。そこの管理人として桐子さんに声がかかったのです。ハワイに留学していたのに、戻って来てしまっていた雪菜ちゃんと2人で、ここを何とかしようとやって来たのですが、挨拶しても返事もしてくれない人が多くて、先が思いやられます。

 東京へ通勤可能な距離ではあるけれど、老朽化しているために若い人に余り人気がないということと、長年ここに住み続けている高齢者が多いこの団地、管理組合も老朽化していて、団地を良くしていくための提案にも、余り乗り気ではありません。

第一章 老朽
第二章 病気
第三章 借金
第四章 結婚
第五章 孤独死
最終章 暴力

 

 大勢の人が暮らす団地では、様々な問題が起こります。部屋の持ち主が、誰かに部屋を貸していて、そこで騒音問題が起きたり。独居老人で体の具合が悪いのに、誰に相談していいのか分からなかったり。とにかく団地内のありとあらゆることが、放りっぱなしになっていたのが問題だなと桐子さんと雪菜ちゃんは気づきした。

 そこで、ふたりが住む管理人室の看板をかけ替えました。これからは「相談室」にします!

 ここなら、近所の子どもが遊びに来てもいいし、愚痴を言いたい人が来てもいいんです。外で聞かれたら困るなってことを話に来てもいいんです。そして、いろんな人たちと話をしていく中で、この団地の一番大きな問題がわかってきました。

 

 最近は、隣近所との付き合いが面倒くさいからっていう人も多いですけど、一日中誰とも会わない、話もしない、孤独な人だって大勢いるんです。だから、この「相談室」ってとても大事だと思います。特に高齢者が多い場所では、こういう機能がないと困ることがたくさんあります。

 役所へ行けば相談できると言われても、そこまで行くことすらままならない人だっています。スマホがあれば簡単にできる手続きだって、スマホを使えない人にはどうしていいのかわかりません。

 何でも気軽に聞ける「相談室」は、高齢化社会には必需品ですよね、桐子さん。

3843冊目(今年84冊目)

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