『幼児狩り・蟹』 河野多惠子 26-126-3885
「三頭の蝶の道」と「いのち」で語られていた河野多惠子という人が、余りにも不思議な人なので、その作品を読んでみようと思いました。
どの作品でも、登場する女性から、何かに憑かれているような感情が溢れ出しています。「劇場」で出会った、せむしの男に不思議な魅力を感じる女。「幼児狩り」「塀の中」「蟹」で、幼い少年に異常に執着する女。そして、親や所長から理不尽な理由で折檻されているのに、それを嫌がるというより、どこか楽しんでいる女。
ギリギリのところで押さえているけれど、どの描写にも「倒錯」の匂いが漂っています。彼女たちは河野多惠子の分身なのでしょうか。小児愛も、サドマゾも、結婚よりも事実婚を選ぶことも、彼女にとっては自然なこと。決して特別なことじゃないのよ。他の人はそういうことを言わないだけなの。とささやかれているような気分になってしまいました。
この6篇が収められています。
・幼児狩り
・劇場
・塀の中
・雪
・蟹
・夜を往く
こんな凄い作家がいたのですね。ただ、驚くばかりでした。
3885冊目(今年126冊目)
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