『河川敷の「原住民」』 趙海成 26-149-3908
ホームレスの実態に関する全国調査(厚生労働省 令和7年1月 目視で実施)によると、確認されたホームレス数は、2591人(男性2346人、女性163人、不明82人)であり、前年度と比べて229人減少している。(あとがき より)
著者の趙さん中国出身のフリーライターで、日本のホームレスは特殊だなと感じ、荒川河川敷に住むホームレスの方たちと交流するようになりました。
どこが特殊かというと、海外で同じような暮らしをしている人たちは物乞いやゴミ拾いを主としているのに対して、日本の場合は物乞いはほとんどいないという事。更に、アルミ缶集めのような「仕事」をしている人がほとんどだという事です。
借金や、何かから逃げているなど、いろんな理由があってホームレス生活を送っているのですが、歳と共に厳しくなる屋外での生活、役所の人たちは生活保護を受けて収容施設での暮らしを薦めますが、人と関わるのが不得意で、どうしてもイヤだという人もいるのだそうです。
段ボールハウスというのも、一時話題になりましたけど、この本に登場する人は、河川敷に自力で家を建てています。でも、台風などでテントや家が流されてしまうこともあり、命がけの生活をしていることがわかります。
そういえば20年くらい前に、代々木公園で自作の家が数軒並んでいるのを見たことがあります。そこには蒲鉾の板で作った表札もかかっていました。トタン張りだけどドアも窓もあって、すごいなと驚きました。
わたしは、始めて就職した会社が秋葉原に近かったので、ホームレスの人たちをしょっちゅう見ていて、彼らに興味を持ちました。1980~90年代には、秋葉原の電気街から出される段ボール回収が、彼らの主な仕事でした。段ボール回収に使うリヤカーに段ボール回収の会社の名とナンバーが付いているのに気がつき「おやっ」と思い彼らの後をつけていったら、電気街の外れの方にその会社がありました。
ほとんどの人は、ひとりでリヤカーを引いて段ボールを集めていたのですが、犬と一緒に歩いている人もいました。その人とは、いつも昌平橋あたりですれ違ったなぁ。
当時はそういう人たちが大勢いて、神田寄りのガード下で生活している人もいました。いつも凄いなぁと思って見ていたある人は、畳2畳くらいのスペースに段ボールを敷いて、茶箪笥と卓袱台と寝袋を置いていました。そこは完全にオープンな茶の間でした。別の場所では、数人のホームレスの人たちが七輪を置いて、鍋を囲んでいるのを見たこともあります。
以前住んでいた江東区では、公園に住んでいる人がハンモックで寝ていたのには笑ってしまいました。確かに涼しそうだけど、蚊に刺されまくるんじゃないってね。ある時、アルミ缶を拾っているホームレスの人の足元を見て驚きました。靴のように見えたのが荷造りテープでぐるぐる巻きにした段ボールだったんです。着るものは、けっこう調達できるけど、靴はなかなか見つけられないのだと、その時に気づきました。
何、そんなことに感心してるんだと思うでしょ? こんなことに興味を持っているのは、どうやら母譲りみたいなんです。子どもの頃、近所に酒屋さんの倉庫があって、一升瓶の空き瓶がたくさん置いてありました。底にお酒が残っている瓶があるらしくて、それを1本の瓶に集めて持って帰っている人がいるよって、母が話してくれたことがありました。そういえば、映画「たんぽぽ」で、銀座ではいいワインが残ったままの瓶が捨てられてるよなんて話がありましたよね。
3908冊目(今年149冊目)
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