『乱歩と千畝』 青柳碧人 26-141-3900
杉原千畝さんは、ご自身の名前「ちうね」の読み方が難しいし、外国の方には発音もしにくいという事で「せんぽ」と呼んでもらっていたようです。そこから、この本のタイトル「らんぽとせんぽ」が生まれたのです。
自分の才能をどう生かせばいいのかを見つけられない乱歩と千畝は、実際には接点はなかったでしょう。でも、この物語の中でふたりは「袖振り合うも他生の縁」的な出会いをします。千畝は自分の将来に対しての不安を話します。そして、乱歩からもらった情報が彼の運命を決めます。
語学の才能を活かしたい千畝は外交官試験を受けることになります。そして乱歩は、紆余曲折はありましたが、小説家への道を進みます。
乱歩さんのコミュ障なところ、イヤなことから逃げまくるところは、面白過ぎですね。奥さんに下宿屋をやらせて、自分はもう働かないと宣言してみたり、いやいや、お騒がせな方です。
一方、千畝さんは本当はロシア語を生かしたかったのに、そちらへは進めず、リトアニアでの「命のビザ」発給への決断まで進む外交官のお仕事は、彼にとって、「仕事か正義か」を常に考えなければならない、大変なことだったというのがよくわかりました。
それにしても、千畝が行った人道的な行動を、2000年まで評価しなかった日本の外務省は酷いと思います。それにこの評価だって、結局は外圧ですからね。
おふたりの存在は、多くの人を救い、多くの人に夢を与えました。本当にこんな出会いがあったとしたら、ステキだなと思います。そして、彼らの活躍を支えた奥さまたちの心の強さも賞賛すべきだと思いました。
3900冊目(今年141冊目)
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