『「若者の読書離れ」というウソ』 飯田一史 26-153-3912
この20年間で、小中学生の平均読書冊数はV字回復した。
学校での「朝読」などの効果が出て、小中学生は昔より本を読むようになったのに、世間では「若者の読書離れ」が声高に叫ばれてしまうのか? それは「思い込みのせい」だと著者は力説します。
日本人の読書率を調べてみると、昔も今も変わらないのです。そして、ここで重視しなければならないのは、「本を読まない」人たちの中には「本を読めない」人も含まれているという事なのです。ディスレクシアという「生まれつき読み書きが苦手な人」の存在は、近年まで知られていませんでした。こういう方たちのために、読みやすいフォントを使うとか、オーディオブックを利用するとか、様々な方法が生まれています。
ところで、どうして若者が本を読まないと、勝手に判断されてしまったのでしょうか? 1つの原因は、若者が読むであろうと想定される本、ヤングアダルト(YA)を読む人が減っているという事です。若者向けの本だとしている大人の想定自体が時代に合っていないということに気づいていないのが問題だと著者は言っています。
「大人が読んでほしい本を子どもが読まない」ことと「子どもが本を読まない」ことは違う。
若者たちが読みたいと思う本が、大人が期待するものとは違うというのは、昔からあったことです。実際にどんな本が読まれているのかを調べていけば、おのずとその差が見えてくるはずです。
直木賞・芥川賞受賞作より、本屋大賞受賞作の方が中高生にウケているというのは、なんとなくわかります。例外的に「推し、燃ゆ」(芥川賞受賞)という作品がありますが、これが支持されるのは、そりゃそうですよ。
巻末資料の「今の学年になってから読んだ本」(第67回学校読書調査 2022年実施 中1~高3 男女別)を見ると、女子は中2ころから恋愛小説を読む人が増えているのに、男子は中学生時代はマンガとSFが多く、高校になってやっと小説を読むようになるのだと、男女差がハッキリ分かります。そして「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら」の強さに驚きます。
高校生や大学生は少なくとも日本人全体と同じくらい本を読んでいるし、小中学生は大人よりもはるかに読んでいるし、過去最高に読んでいる。にもかかわらず本好きの大人という少数派が、子ども・若者に対して、大人全体の平均以上の読書量や高度な内容の本の読書を望むのは、ハードルが高すぎる。
~中略~
大人も平均すれば月2冊も読んでいないのだから、「平均的な大人」はたいした読解力もない
はい、その通りでございます。「大人の読書離れ」の方がよっぽど問題なのに、それを無視していてよいのでしょうかねぇ?
3912冊目(今年153冊目)
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