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  • ダメでもいいからやれ。
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『変身』 フランツ・カフカ 26-166-3925

Hensin

変身
Die Verwandlung

フランツ・カフカ
Franz Kafka

新潮文庫

チェコ 1915

 グレゴール・ザムザは、ある朝目覚めたら大きな虫になっていました。

 彼は外交販売員で、普段の日ならもう起きて、出社の準備をする時間です。でも、虫になってしまった彼はベッドから起き上がることすらできませんでした。

 グレゴールの父は事業で失敗して破産していました。父と母、妹との4人家族の食い扶持を稼いでいるのはグレゴールです。ですから会社へ行かねばと思うのだけど、どうにもなりません。

 虫になってしまった彼の姿を見ただけで母は卒倒し、父は悪態をつくだけ、かろうじて妹が食事の心配をしてくれたけど、グレゴールは自分の部屋での幽閉生活を送るしかなくなりました。

 それまでは一家の大黒柱として働いてきたグレゴールに対して、最初の頃は多少優しさもあった家族だけど、段々と邪魔者として考えるようになっていくところが怖いです。

 この物語の中で母と妹には愛を感じるところがあるけれど、父に関しては家庭内の独裁者のような感じが溢れています。グレゴール=カフカと考えると、彼は父親が嫌いだったのかなぁ。「自分勝手に何でも決めてしまって、なのに、それが家族の為と思い込んでる奴」と思っていたのではと感じます。

 

 「突然、大きな虫になってしまった」という部分を、「事故や病気で身体を動かせなくなった」とか「ひきこもりになってしまった」「認知症になってしまった」などと読み替えてみると、そういうことって誰にでも起こるかもしれない話だなと思えてきます。そして、突然襲ってきた「絶望」は、どんなにあがいても無くなりません。それどころか、絶望はどんどん大きくなっていきます。

 ストーリー自体がとても不条理なんだけど、その中であがく自分、救いようのない自分、それがじわじわと伝わってくるからこそ、不朽の名作なのかもしれません。

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