『百年と一日』 柴崎友香 26-204-3963
深緑野分さんが書かれた「解説」に書かれていたのですが、この本に収められている文章を「webちくま」に掲載する前に、担当編集者に「時間が経つ話が書きたい」と説明していたそうです。
「二階の窓から土手が眺められた川は台風の影響で増水して決壊しそうになったが、その家ができた頃にはあたりには田畑しかなく、もっと昔には人間も来なかった」
なんて風に、意外と壮大な物語になってるところが面白いのです。
日常のなんてことないことが書かれていたかと思ったら、戦争でそれまで住んでいた土地を追われて外国へ行った話だったり、バラバラのように思える事柄が、実はつながっていて、想像もしなかった方向へ進んでいくのって、不思議だなぁ。
柴崎さんの文章を読んでいて、似たようなことがあったなぁなんて、自分の過去の体験を思い出しました。外国の空港で、飛行機が待ってるから「走る?」と言われたこととか、実家の向いのアパートの2階の手前から3番目の部屋の洗濯物がとてもきれいだったこととか、いろんなことが記憶のどこかに引っかかってるのです。
今、わたしがいるこの場所が100年前どうだったかわからないし、100年後どうなっているかもわからない。だから、物語が生まれるんだよ、きっと。
3961冊目(今年202冊目)
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