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『容疑者の夜行列車』 多和田葉子 26-197-3956

Yougishano

容疑者の夜行列車

多和田葉子(たわだ ようこ)

斎藤忠徳(表紙の写真) 

青土社

第14回(2003年)伊藤整文学賞受賞
第39回(2003年)谷崎潤一郎賞受賞

 あなたは旅を続ける。パリ、グラーツ、ザグレブ、ベオグラード、北京、イルクーツク、ハバロフスク、ウィーン、バーゼル、ハンブルグ、アムステルダム、ボンベイ、そして最後は「どこでもない町へ」。

 主人公はダンサー。呼ばれた公演に出るために夜行列車で旅することもあれば、とても嫌な演出家から逃げるために急いで切符を買うこともあります。コンパートメントの中で怪しい人に話しかけられたり、町を歩いていて「一緒に映画を観ましょう」なんて言われることもある。旅ってそういうことが煩わしくもあり、楽しくもあるのです。

 あなたが、そこはフランスだと思ってフラン紙幣を出したら、そこはベルギーだったという話がありましたね。おつりは少しだから、とっておいてと言ったら、相手がとてもビックリした顔をしていたのは、物価の違いが大きかったからという話。こういう話は地続きだからこそ起きるのですよね。列車での国境を超える旅に憧れてしまいます。

 ヨーロッパの長距離列車はコンパートメント(ドアで仕切られた個室)であることが多いけど、知らない人と同室になるのはちょっと気づまりだったり、怖かったり。

 あの出来事は夢だったのか? それとも現実? 列車の旅は続きます。

 

 この本の表紙のバンドネオンを弾く男はどこの人なのでしょうか? ああ、旅に出たくてしょうがなくなりました。

3956冊目(今年197冊目)

 

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