『四維街一号に暮らす五人』 楊双子 26-184-3943
四維街一号は日式建築(日本統治時代に建てられた建築)で、建築当時は職員宿舎として使われていた建物です。2階建てのこの建物は、現在は女性専用のシェアハウスになっており、4人の女子学生と大家さんの安修儀(アンシゥイー)が住んでいます。
一階の101号室にはBL作家もしている郭知衣(グォジーイー)、102号室にはお嬢様風の蘆小鳳(ルゥシャオフォン)、2階の201号室には苦学生の除家樺(シュージァホウ)、202号室にはとってもシャイな薔乃云(シャオナイユン)。それぞれ何か訳ありな感じなんですけど、お互いに、それに触れていいのかどうか、探り合いの状態です。
彼女たちは、外で食事をすることはありますけど、基本は自炊です。ひとりで食事をすることもあるけれど、どうせなら一緒に食べようということが増えていきます。そのきっかけが、乃云が2階のラウンジの押入れで見つけてきた「再版 臺灣料理之栞」という本でした。100年も前の本で、日本語で書かれているけど、漢字が多いから大まかには読めるので、これを参考にして料理を作ってみようという事になったのです。
現代の台湾のお話なのですが、彼女たちの会話の中に、それぞれの出身地の文化や言葉の違いとか、台湾語と北京語とか、本省人と外省人(大陸から来た人)とか、李登輝総統以降の民主化の話とか、様々なことが話題にあがるところが面白いです。そして、アニメなど日本の影響を受けて育ったという話も興味深いです。
シェアハウスで、こんな風にみんなでワイワイ暮らせたら楽しいでしょうね。ケンカしたり、仲直りしたり、恋したり、おいしいものを食べたり。最後に明かされた大家さんの話は、四維街一号という建物があったからこそですよね。
台湾は、日本には複雑な思いを持ちつつも、日本が遺したものに敬意をもってくれているところが、とてもありがたいなと思いました。四維街一号を見に行きたいなぁ。
3943冊目(今年184冊目)
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