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  • ダメでもいいからやれ。
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    やってみもせんで何を言っとるか
    (by 本田宗一郎)

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『兎の眼』 灰谷健次郎、長新太 26-246-4005

Usaginome

兎の眼

灰谷健次郎(はいたに けんじろう)

長新太(ちょう しんた)

理論社 フォア文庫

 新任の小谷先生の悩みは、彼女のクラスの鉄三が口をきかないことでした。言葉がわからないわけじゃなさそうだけど、どんなに話しかけても返事をしてくれません。乱暴なこともするし、この子を何とかしなければと思うけど、どうしていいのかよくわからない先生は、鉄三の家へ行ってみました。彼はパクじいさんとふたりぐらし、両親はいないようです。彼のペットは「蠅」ということがわかって、ちょっと腰が引ける先生ですが、彼と時間を過ごすうちに、これまで不潔としか考えてこなかった蠅のことが少しずつ分かってきたし、蠅に対する鉄三の愛がわかり、自分の考えの足りなさを反省するようになった小谷先生です。

 みな子ちゃんという子が、小谷先生のクラスにやってきたときも、先生は悩みました。授業中フラフラしている彼女が、クラスのほかの子の迷惑になるのをどうしようかと、ジタバタする小谷先生でしたが、クラスのみんなで「みな子ちゃん当番」を交替ですればいいじゃないかという提案に、驚き、感動する先生。

 先生が生徒(こどもたち)に教えるということしか頭になかった小谷先生が、こどもたちから教わることによって、少しずつ成長していきます。それと同時に、結婚したばかりの夫の身勝手さに驚き、先輩の先生たちのなかにも嫌な人がいて、大人の方がよっぽど手間がかかると思うのです。

 

 わたしが小学生だった頃の同じクラスに、鉄三のようにしゃべらないし、表情を変えない子がいました。休み時間になっても外で遊ぶわけでもなし、不思議な子だなぁって思っていたら、ある日、犬の毛をいっぱいつけて来たんです。誰かが「家に犬がいるの?」と聞いたら、とっても嬉しそうに笑っていて、「ああ、この子は犬とはなかよしなのね」と思ったことを思い出しました。

 

「先生だけやない。いまの人はみんな人間の命を食べて生きている。戦争で死んだ人の命を食べて生きている。戦争に反対して殺された人の命をたべて生きている。平気で命を食べている人がいる。苦しそうに命をたべている人もいる」

 同僚の先生たちから一目置かれている足立先生は、こどもの気持ちをきちんと汲み取ってくれる人でした。だから、彼のこの言葉をきっと、こどもたちはすなおに受け取ってくれたと思います。そして、この本を読んだ人みんなが、同じ気持ちを持ってくれたらいいなぁと思います。

 そうしたら、戦争で儲けようなんて考える人はいなくなるはずですから。

 

 最後に、足立先生が教えてくれた、良い文章の書き方を書いておこうと思います。

× したこと
〇 見たこと
〇 感じたこと
〇 思ったこと
〇 いったこと
〇 きいたこと
〇 そのほか

 「したこと」は「わるもの」なんだって。とっても大事なことを教わりました。

4005冊目(今年246冊目)

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