『狙われた国と地域⑩イラン』 稲葉茂勝 26-221-3980
イランとアメリカが戦争をしているというニュースを毎日見て、聞いて、いろんな疑問が湧いてきます。それは、なぜアメリカはイランへ攻撃を仕掛けるのか。そして、その最終的な目標はどこにあるのかということです。イランが勝手に核開発をしているのがけしからんとアメリカは言いますけど、だったら北朝鮮にも同じことをしないのは何故なのかとか、アメリカだけでなくイスラエルも戦争に加わっているのは何故なのかとか、そういう根本的なところを誰も説明してくれていないと感じます。
そもそも、イランってどんな国なんだろうという所から、まるでわかりません。地理とか世界史とかで習ったっけ?
この本は小学校高学年~中学生向けですから、とってもわかりやすく説明してくれています。
「メソポタミア文明」、これは習いましたね。ティグリス川とユーフラテス川の間、現在のイラク、シリア東部およびイラン南西部にあたる地域で生まれたものです。
第二次世界大戦後、アメリカと手を結んで「イラン」という国となり、パーレビ国王がこの国を統治していました。それに異議を唱えた民衆が1979年にイラン革命を起こし、ホメイニ師が最高指導者である「イラン・イスラム共和国」となりました。それ以降、アメリカとの関係は悪くなりました。
イスラム教のスンニ派、シーア派と言われても、その違いすらわたしには知りませんでした。この本によると、スンニとは「伝統・慣習」という意味で、血筋に関係なくイスラムの伝統や慣習を守る人が後継者になるべきという考え方をしています。イスラム教徒の約78~90%で、サウジアラビアなどのアラブ諸国やトルコなどの人たちです。
一方シーア派は、預言者ムハンマドの従弟であるアリーを支持する一派が元となっており、ムハンマドの血を引くアリーとその子孫こそが正当な後継者だと考えています。イスラム教徒の10~13%、主にイラン、イラクの人たちです。
イスラムでは「偶像崇拝の禁止」という教えがあり、厳格に守っていますが、指導者の肖像画や写真を掲げることは問題ないようです。
砂漠の中で生きる人たちにとって緑色は植物を連想させることから、昔から大切な色とされてきました。
そして砂漠では、太陽は人の命を奪う危険なものであるのに対し、月は人々に安心と安らぎを与えるものです。イスラム教の国々の国旗などに緑色が多く、月や星のデザインが多いのは、そのせいだそうです。医療のマークとして西洋諸国では赤十字を使いますが、イスラム諸国では赤新月マークを使用しています。
知らないから怖いという心理が働くのはしょうがないことですが、いつまでもそのままではいけません。正しい情報を得ることで、正しい判断を行うことができます。それが相互理解の第一歩だと思います。この本のおかげでイランという国がちょっと身近に感じられるようになりました。
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