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『傘寿まり子 1』 おざわゆき 26-240-3999

Sanjumariko1

傘寿まり子 1

おざわゆき

講談社 KCデラックス

 作家の幸田まり子さんは、自分の家で、息子夫婦、孫夫婦、玄孫(まだ赤ちゃん)の6人で暮らしています。昔よりは仕事量は減ったけれど、今でも毎月雑誌でエッセイを連載しています。

 80歳になって、家族と暮らせているのは幸せだと周りの人は思っているみたいだけれど、いかんせん家が小さいのです。自分の家のはずなのに、ここには自分の居場所がないと感じたまり子さんは、書置きを残して家出をしました。

 最初は一般のホテルに泊まりましたが、そこにずっと住むにはお金が沢山かかります。どこかいい所はないかと彷徨っているうちに、インターネットカフェにたどり着きました。狭いけど、シャワーも浴びられて、机もあって、ここで寝られる、仕事もできる、ここは理想的な場所!

 とはいえ、いつまでもここにはいられないと、賃貸で部屋を借りようと思っても、保証人がいないことには高齢者が賃貸住宅を借りることすらできません。

 

 いやぁ、これは凄いところをついてきたなぁと思いました。2世帯同居とか、3世帯同居が破綻した時に、子供や孫が飛び出すのは可能なんですけど、老人が出ていく先って、老人ホームくらいしか社会の想定がないんですよね。

 でも、逃げ出したくなることって誰にだってあるはずじゃないですか。まり子さんには収入もあるし、頭も体もしっかりしているし、それなのに、80歳だというだけで、独り暮らししちゃいけないの?

 この話は、これからの社会に対する一つの問いかけだと思うんだけど。

3999冊目(今年240冊目)

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