『違国日記 4』 ヤマシタトモコ 26-224-3983
朝(あさ)の母親(槙生の姉)が死んだとき、おばあちゃん(槙生と姉の母)は遺体確認を朝にさせた。槙生はそれを絶対に許せないと思っている。
その気持ちはよくわかる。わたしの父が亡くなった時、母も同じことをしたから。その日から、「母よ、あなたはそういう人なんだ」と思うようになった。
槙生は片付けられない、できるだけひとりでいたい、ウソがつけない。姉や周りの人から少しは気を遣えとか、合わせろとか言われてきたけど、「できない」。今日、部屋の中がきたない、片づけろって朝から言われた、「そんなの、ふつうにできるでしょ」って言われて。できるならやってるから、わたしにはそれが難しいんだ。「ふつうのことがなぜできない」って指摘する人間は、こんなことで相手が傷つくわけないって思ってるけど、そうじゃないんだ。
「わたしが何に傷つくかはわたしがきめることだ あなたが断ずることじゃない!」
その通りだよね。あなたにはできても、わたしにはできないんだから。ズルしてるわけじゃなく、気がついたらこうなってるんだ。あなたには理解できないかもしれないけど、わたしはそういう人間なんだ。イチイチ指摘しないで! わたしができないいろんなことに対して、ちゃんとするのがふつうでしょって言わないで! だから、できるだけひとりでいたいんだ。
槙生は、そんな気持ちをうまく表現できない。説明ができない。わかってるんだよ、ふつうの人ができるようなことができない、ダメな人間だって分かってるんだよ。だからほっといてくれ、そばによるな、どうしてもイヤなら出ていってくれ!って思ってる。
昔恋人で、今は友達の笠町くんは、きっと槙生のことを大好きなんだ。だから「自分に頼って欲しい」って思ってる。それは槙生が弱いと思ってるってことじゃなくて、あなたが大切な人だから。自分がそんな風に思われるほどの価値がある人間だと思ってないから、槙生はずっと彼に頼れずに来た。でも、それが悲しかったんだよ。笠町くんにとっては。
朝の友達のえみりちゃんへ貸した「フライド・グリーン・トマト」のDVD、えみりちゃんは気に入ってくれたかな? あれはいい映画だったねぇ。また観たくなった。
えみりちゃんにも、きっと誰にも言えない秘密があるんだよね。それが何かはわからないけど、何かあるんだろうって槙生は気づいてる。だからこの映画を選んだのだと思う。
3983冊目(今年224冊目)
« 『地下室からのふしぎな旅 新装版』 柏葉洋子 26-223-3982 | トップページ | 『ろくべえまってろよ』 灰谷健次郎、長新太 26-225-3984 »
「コミックス」カテゴリの記事
- 『違国日記 6』 ヤマシタトモコ 26-252-4011 (2026.09.07)
- 『ペコロスの母に会いに行く』 岡野雄一 26-254-4013 (2026.09.09)
- 『違国日記 5』 ヤマシタトモコ 26-245-4004(2026.08.31)
「日本の作家 やらわ行」カテゴリの記事
- 『違国日記 6』 ヤマシタトモコ 26-252-4011 (2026.09.07)
- 『違国日記 5』 ヤマシタトモコ 26-245-4004(2026.08.31)
- 『エルトゥールル号の遭難』 寮美千子 26-227-3986(2026.08.14)
- 『違国日記 4』 ヤマシタトモコ 26-224-3983(2026.08.11)
« 『地下室からのふしぎな旅 新装版』 柏葉洋子 26-223-3982 | トップページ | 『ろくべえまってろよ』 灰谷健次郎、長新太 26-225-3984 »




コメント