『咲く。宇野千代の生涯』 葉山由季 26-249-4008
宇野千代さんは、作家であり、雑誌編集者であり、着物デザイナーでもあった多彩な方であり、それ以上に恋多き女でした。
何度も恋愛し、結婚し、離婚し、そのたびに一瞬は意気消沈しますけど、その気持ちが(いい意味で)長続きせず、次の恋や仕事に向かっていく千代さんのバイタリティに驚きます。
何かに興味を持つと、決して「次の機会に」とは思わず、すぐに飛びつき、あっという間に没頭していく、この行動力は天性のものなのでしょうね。何かをしていて、その先に困難があるなんて考えず、常に楽しいことを考え、夢を実現していく彼女について行けなかった男性もいましたけど、誰も彼女のことを恨んだりしないんです。無謀で身勝手なところも、彼女の魅力とわかっているからこそつき合った人たちだからなのでしょうか。
男たちは、自分がやったことや話したことをを小説に書かれても、気にしていないようだし、別れてから何十年もしてから、また一緒に仕事をしようと言ってきた東郷青児なんて、その最たるものなんでしょうね。
会社が倒産という事態になっても、冷静に受け止め、家などの資産を売り払い、やるべきことを一つ一つやっていく千代さん。どんな時でも、だれかのせいなんかにしない、今はすべてを手放しても、また稼いで新しい家を建てればいいと思っている千代さんは、すごいなぁ。
自分を賢くだます、ということが大事だ。書ける、と思えば書ける、と千代は思う。P297
書ける、と思えば書ける。できる、と思えばできる。そこが凄いんだな。諦めるなんて文字は、彼女の辞書にはないのです。
忘れるってことは、新しく始めるっていうことよ。心を空っぽにするから新しい経験を入れることができるの。いくつになっても人生は今日が始まりよ。P305
嫌なことをいつまでもグチグチいうより、新しいことを始めちゃった方が楽しいじゃないって、千代さんはいつも思っていたのでしょうね。いつでも、自分にとって好きなこと、楽しいことを求め続けた千代さんの生き方は本当に素晴らしい。だからこそ、「私何だか死なないような気がするんですよ」なんて言えたのでしょうね。
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