『働きたくない日は、カフカを読む。』 キム・ナムグム 26-275-4034
子どもの頃に描いた「将来の夢」は、どうして「なりたい職業」だったのだろう?
この言葉にあっと思いました。そうですよ。どうして、パイロットとか、野球選手とか、お医者さんとか、具体的な職業を夢として描いていたのでしょうか。もっと漠然とした夢でいいはずですよね。「世界一のお金持ちになりたい」とか「ずっと、おいしいものを食べていたい」とか、そういうことを実現するために、何かの職業に就きたいと思うならいいのだけれど、みんなが知ってる有名な人みたいになりたいから「ユーチューバーになりたい」なんてのは、「それ、順番が違うでしょ」って思ってしまいます。
逆に、これといった夢があるわけじゃないけど、とにかく「絵を描くのが好きだ」みたいな方が、自分に正直だと思うのだけど。
安藤忠雄が示したように、自分の限界を自分で決めてしまうことはやめよう。まずはわたし自身からそうしてみたい。
安藤忠雄は建築家ですけど、専門的な教育を受けたことはないんです。独学で建築を勉強したからこそ、彼にしか作り出せないものを作りだせたんです。そもそも彼は、10代の頃にはボクサーを目指していたのです。建築家になろうとするほとんどの人が大学の建築科で学ぶのですが、そんなことをしなくても、建築家になれるのだという実証したのです。
カフカは毎日、自分にむち打って原稿を書いた。そうしてまで書いた原稿をなぜ燃やしてほしいと言ったのだろう。現実を耐えるという目的を果たしたので、もはや原稿はその役目を終えたと考えたのだろうか。
この本のタイトルにもなっているカフカ。彼は大学で法律を学び、労災保険局勤めをしながら小説を書いていました。彼にとって小説を書くということは、作品を発表したいということよりも、現実逃避の方法だったのかもしれません。だからこそ「変身」のような作品が書けたのかもと思えてきました。
ただただ日曜日を待って、その日ゆっくりと眠り、いつもより少し長く故国の夢を見ること以外に何ひとつ、待ち望むことがないからだと。
アゴタ・クリストフはハンガリー出身ですが、ハンガリー動乱時、生後4か月の娘を連れて、反体制派の夫とともに、オーストリアに脱出し、難民としてスイスへと亡命した人です。その地で、必要に迫られてフランス語を学びました。彼女の中にはいつも、ハンガリーを思う気持ちが溢れていたのでしょう。もう戻ることができない絶望感が、「悪童日記」になったのかもしれません。
「あなたは何を撮るべきかわかっていない人ですね」
ウジェーヌ・アジェは、19世紀後半から20世紀初頭にかけて、変わりゆくパリの街の写真を撮り続けた人です。ある時、写真の注文主からこう言われ、それ以降、彼は誰かから注文を受けて写真を撮ることをやめました。
アジェは、先に写真を製作し、その後で注文を受けて販売するという手順にこだわったのです。自分が取りたいと思う写真でなければ、写真を撮る意味がないと気がついたのでしょう。
ヘレーン・ハンフの『チャリング・クロス街84番地』の話は、やっぱり面白いですね。戦争のさなかでも、書店との交流が続いていくところに、人間らしさが溢れていて、この本をまた読みたくなりました。
最初から上手くいった人なんていません。いろんな失敗を繰り返しています。それに、成功した後だって、いろんな葛藤を持ち続けています。「このままではいけない」と自分に鞭打ったり、他人からの批判に傷ついたり、酒におぼれたり、孤独になったり、ずっと揺れ続けていきます。それが人間なんだよねって、いろんな人の人生に思いを馳せます。
晴れる日もあれば、雨の日もある、それが人生だもの。
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